荷物を持っていきすぎても重たくなりますし、逆に荷物を削りすぎても計画自体が無謀になりかねません。
ハイキングの行程によって装備の計画もたてますが、自然の中で過ごすには、気分的にはやはり極力不必要な荷物は持たずシンプルにいきたいものです。
でも、基本的な装備は忘れず持って行きたいところです。
先ずここでは、ハイキングを始めるにあたっての基本的な装備を紹介します。
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【 リュックサック(バックパック) 】
必要な荷物を運搬する大切なツール。背負い心地も大切なポイント。
【 シューズ(マウンテンシューズ) 】
足元を保護し、歩行を助けるツール。不整地を歩くのに適したタイプがベスト。
整備されたハイキングコースだとスニーカー程度でも十分な場合もありますが、まずは比較的
靴底の軟らかいトレッキング(ハイキング)シューズが歩きやすいです。
【 雨具(レインウエア) 】
天候の急変に対応。雨などで身体が濡れるとコンディション不足の原因に。
ビニール合羽ではなく、蒸れを拡散させるGORE-TEXなどの防水透湿素材がおすすめ。
行動時間も短い里山のような低山帯ならば、ポンチョタイプでも大丈夫です。傘などはハイキング中に
手が自由に使えないので初めての方にはあまりおすすめしません。
上記の3点セットは里山であろうと高山であろうと、山のレベルに関係なく携行するのが基本的です。
次の段階として、ご自身がどういう形態のハイキングを行うかによって装備の質が変化してきます。
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【 行動着 】
速乾性に優れた化繊か湿気を取り除くウール素材がおすすめです。ウエアが乾くことにより水分(汗など)が身体に残らず、体温低下を予防できます。
行動中(歩行時)は汗もかくので、寒くないと感じるレベルの薄着のほうが案外快適です。
【 防寒着 】
体温低下を防ぐ役割。休憩中や行動中に体温調節ができるよう、厚手を1枚携行するよりは薄手を組み合わせて。
(例:ウインドブレーカー+長袖シャツ)
レイヤリング(重ね着)は快適に行動するには大切なポイントです。
フリースやダウンなどの中綿ウエアがその一例で、他には手袋やネックウォーマーも効果的。気温の低い山域へは保温性のアンダーウエアも有効です。
【 靴下 】
クッション性に優れた厚みのあるもので、素材も汗乾きがよい化繊かウール素材を。
ウールは消臭・抗菌効果もあるので、古くから山の定番素材です。
【 ゲーター(スパッツ) 】
プラスα的なツール。シューズの履き口から雨による浸水防止や泥よけに便利です。
【 スタッフバッグ(荷物の小分け収納袋) 】
荷物を整理するのに使います。整理をすれば行動もスムーズです。
濡らしてはいけない荷物は防水性のあるスタッフバッグに収納すれば雨でも安心です。
【 ヘッドランプ 】
山小屋やテント山行の1泊以上の行程では必携です。
日帰りハイクでも緊急用途で装備に加えたいツールのひとつになります。
【 水筒 】
ハイキングする上で欠かせません、最低1リットルは持ち運びたいです。自分の場合は1日の目安を2リットル前後に設定。
お水以外ではスポーツドリンクも運動時ミネラル摂取に効果的です。
【 トレッキングポール(ステッキ) 】
バランス保持や膝の負担軽減に。あれば助かりますが、ただ絶対に必要な山道具とは言い切れずプラスαツールです。
【 ゴミ袋 】
自分でもって上がったものは持ち帰りましょう。絶対に山では捨てないで!!
【 タオル・ペーパー 】
汗ふきはタオルではなく手ぬぐいでも便利です。ペーパーは何かと使えます。
【 虫除け・日焼け止め 】
デリケート派?野生派?それぞれ趣向はあると思いますが(笑)、沢沿いなどは虫が多いです。
【 携帯トイレ 】
自然路にトイレはなく、ほぼ山小屋周辺に限られます。これも切実な問題ですよ。
【 ナビゲーションツール 】
地図とコンパスをセットで携行。目的地を案内してくれるので精神的にも助かります。
道迷いを防ぐ意味においてすごく大切です。
【 メモ帳・筆記具 】
行動記録をつけていけば実際歩いたコースタイムをチェックができますし、今後に活かせます。
山小屋さんにはスタンプなどもあり、旅のよき思い出としても。
【 救急・緊急用品類 】
万一の怪我の処置であったり、非常食であったり。不足の事態を想定し、グループや個人で必要なものを準備します。ビバーク(緊急露営)時のツエルトなどが一例。
“備えあれば憂い無し”本当そうです。
----以上が日帰り装備の代表例です。---
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準備する荷物の内容ですが、例えば山の標高や季節によっても当然、服装や装備などはかわってきます。1000mクラスの里山と3000mクラスの高山では、気象条件だけでも変化してきます。ハイキングを行うのが同じ日でも標高によってずいぶん気温差が出るので、しっかりと対応できる防寒着の必要性も考えなくてはいけません。
次に気温のシュミレーションですが、標高が100m上がればおおよそ0、5度~0、7度ほど下がってくるので、1000m上がれば最大でおおよそ7度も気温差が生じます。
この予測をもとに山によってイメージを膨らませれば服装などの準備もしやすいはずです。こうすると案外計算がたってくれるはずです。
さらに風速1m以上の風で体感温度は1度前後下がってくるので、毎年人気になる夏の富士山御来光パターンでも、山頂では遮るものがないので、気温+風の影響でけっこう寒いんです。
◎山での気温予測の計算式
標高差による気温の差をまず計算( 標高差温度{100m=0.5~0.7} × 山の標高{標高÷100}} )
現地の気温は上記の計算方法で算出。実際の体感温度は当日の風速〔 毎時/m × 1 〕により影響
(実例)夏の富士山山頂の場合… ( 0.5~0.7×37=19~26℃の海抜0mからの温度差と予測できる )
+
当日の風速〔 毎時/m × 1 〕により計れる。例えば10mの風で10℃=体感温度
標高差温度(19~26)+風速(10)=富士山頂では体感温度が36℃も気温差が生じると予測できる
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山は危険よりも楽しいことのほうが圧倒的に多いんですが、そこは自然のフィールドに出かける訳なので、いつもながら準備は大切だと感じています。
アクシデントが原因になり、日帰りでも下山できない可能性は誰にだってありえる事だと思います。「本格的な山登りじゃないから必要ない…」という考えは少々危なっかしいかもしれません。
何回も訪れたことのある地元の里山だって遭難しない保証なんてしてくれません。
不意な事に対応できる経験があれば、場合によっては危険回避も可能かもしれません。
でも、まだまだ経験の浅い人は無茶をすると痛い目にあってしまいます。
文章に書き落とすと、どうしても山に行くのが難しく思われてしまうのですが、東京の高尾山レベルならば気軽に歩けます。
高尾山からステップアップしていく上でハイキングを“安全に楽しんでほしい”事を伝えたく道具リストを書きました。
厳しいとされる山でも、ハイキングする当日に好条件が重なれば楽々に感じることも多いです。
でも、悪条件が重なると通いなれた里山でも大変だったりします。
自分も何もわからない所からハイキングを始めましたが、歩いて行く中でイメージが出来てきました。やっぱり行動してみないと楽しさもわからないので、難しく考えず心の底からシンプルにハイキングを楽しんでほしいのが本音です。
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この他にも自分なりにNoteのページでハイキングテキストを書き込んでいます。
よろしければご覧になってください。