2013-08-30

燕岳・合戦尾根トレイル-後編- /北アルプス【中房温泉~燕岳】

日程:2DAY/他友人2名/2013年7月
天候:曇り時々晴れ。後雨
アクセス:車/松本ICより登山口無料駐車場前夜泊。
Course MAP

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燕岳登山前編の続き…
今回は北アルプス三大急登である合戦尾根をピストンで歩きました。燕岳登山レポ後編です。

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合戦尾根を登った感想は、確かにアルプス三大急登と冠するように、直登に近くどんどん高度は上がっていく勾配感覚はありましたが、そこまで辛い登りと言うよりかは、何となくいつもの山歩きで感じる感覚とそれ程差は感じなかった。
これぐらいの登りは過去に何回も経験してきたので、正直な感想はちょっと拍子抜けした感じもあった。

初日は大雨予報でしたが、たいして降らず本当に幸運のような。信じられないような話。
さっそく幕営地で本日の寝床の設営。
今回僕らは共同装備にてBlackDiamond社製のメガライト。これはフロアレスシェルターだけど3人いるし快適性を重視したいので、オプションのフロアも持ち込んだ。見た目にも三角形が特徴的。


真ん中にトレッキングポールを立てシェルターを持ち上げる設営方法でじつに楽ちん。
さぁ、シャルターの設営も終わったし、目指すは燕岳のピークへ!
ベースとなる場所があれば荷物をデポ(置いて)し行動できるので最高に身軽な出で立ちです。


燕岳のピーク。
テン場からは往復で1時間の至近距離。


山頂付近は奇岩の宝庫というべきかは分からないけども、独特の景観を醸し出していた。




岩のオブジェというのが表現的に当てはまっているのか迷うとこですが、山頂まではいい感じのトレイルになっていて、見所も多く歩く間を飽きさせない。




学校登山の列。レインウエアを着込みカラフル。


絵になる~。



コマクサが本当に見事に咲き誇っていた。

山頂一帯は自生地なのか、この日はかなりの数のコマクサを確認。綺麗だった。


燕岳の山頂までもう少し。
ほんと綺麗すぎてシャッターを押しまくりました。


山頂です。 2763m。








実にダイナミックな景観の連続。
アルプスに来たんだと改めて思いました。この感覚は何度味わっても心地よいもんです。


山頂からさらに奥には北燕岳のピークが。


山頂にある三角点。何等かは失念してしまいました。


再び絵になる絵。パートⅡ。


若いっていいなぁ~。本当に元気。


赤い屋根と風景に溶け込む美しい山小屋でもある燕山荘。


槍ヶ岳がチラリズム。



戻ってきた頃にはテン場が大賑わい。
山岳部?な団体だった。でも、ここまで幕体の数はひとつの部活ならかなりの大所帯。
各学校の合同隊なのかは分かりませんが、自分も学生時分から入部しとけばよかったと少し羨望の眼差しを浮かべた。



何回シャッターに納めてもいい、かっこの良い山。
ブログでは想いの丈をお伝えできませんが、ものすごくテンション上がりまくりです。
さぁ、この風景を愛でながらの…ご飯ーーー!!




SHK君はsnow peakのランダーというクッカーを持ってきてました。
何でも現在復刻販売されている同社のランダーの、当時のモノらしく。今のとは大きさの企画が異なるようでした。
しかも、ドライフードのSG君と自分とは大違いの生米を持ち込んできた。
しかし、SHK君の生米の吸引力に打ち勝つのには本当に苦労しました(笑)。炊くときに発せられる香しい米のにおいが全然アルファ米と違う!! 例えるならこっちが刀ならあっちは機関銃ですよ。


軽量化作戦のため、自分はクッカーの蓋を食器代わりにするという暴挙に出ました(爆)。
マグカップは5g。最高に激軽な組み合わせです。



この看板…味がある!
さてさて、夕飯で盛り上がり、さらに山小屋にお邪魔します。


窓際に喫茶スペースが設けてあり自由に使えるのは良心的で嬉しい限り。
持ってきたおつまみと小屋のビールで今日の良き日に乾杯。


なんとこの日は、燕山荘のオーナー・赤沼さんの演奏のオマケつき。


夜も足早にふけり、本当に穏やかな一日でした。



翌日は朝から小雨がぱらつく生憎の天候。
昨日が予想外の天候でしたから、まぁ仕方ないです。みんなもあんまり気落ちせず。
全然景色が駄目って訳でもなかったので。

ではでは、下山。




お土産を買いに小屋へ。
学生さんの登山靴が所狭しと並んでいた。

途中、合戦小屋の手前ぐらいから雨も本降りに。
時間もそこまで長くないので、雨具はあえて着ませんでした。




いくら登山でもウェットな路面は滑りやすいので、慎重に下る。

個人的には雨の景色もけっこう好きなので気落ちはしないのですが、さすがに雨脚は強かったみたいで、けっこう濡れてしまいました。
少し反省。

でも、今回の山歩きは素晴らしい景色とも出会えたので結果的には良かったとします。
今度は是非、小屋泊をしてもいいぐらい燕山荘には心惹かれました。
小屋でもテントでも山で寝ることには変わりないんですが、それぞれのスタイルのよさが存在するので、同じ山をまた違った視点で見れるかなと思います。

合戦尾根は登り甲斐もあるコースですし、登山の対象としても燕岳は素晴らしいものがあります。
さらにこの先は表銀座縦走でもあり、大天井岳から槍ヶ岳に至る日本を代表するトレイルになっています。
少し経験値はいるかもしれませんが、機会があればこちらも歩いてみたいです。

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【 COUSE TIME 】
○1日目
中房温泉登山口⇒(45分)第一ベンチ・水場⇒(25分)第二ベンチ⇒(40分)第三ベンチ⇒(50分)富士見ベンチ
⇒(35分)合戦小屋⇒(60分)燕山荘⇒燕岳山頂へは往復60分程度
○2日目
燕山荘⇒(35分)合戦小屋⇒(25分)富士見ベンチ⇒(75分)第三ベンチ⇒(50分)中房温泉登山口

【 ADVICE 】
今回は比較的ゆっくりと登りました。合戦尾根は急な登りなので各ベンチで休憩し高度に慣らしていけば、そこまで
体力を奪われるのが少なくすみそうです。
合戦小屋までが正念場、ここまで上がれば燕山荘までもう少し。天候の急変に対応できるように装備は念入りに。
【 LEVEL 】
★★★☆☆/標高差は約1300m。行動食と水分を欠かさずに。中級者レベルです。

【 Others】
中房温泉は贅沢な源泉かけ流しです。登山の疲れを癒やせます。
松本市街の観光もオススメです。

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-Mountain Hiking-












2013-08-17

山男

山男は今日も静かにたたずんでいます。
誰にお願いされる訳でもなく。 ただ、そこにたたずみ続けています。
今日も多くの登山者をやさしく見守り続けています。
 
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【 山男の歌 】

歌手:ダークダックス
作詞:神保信雄
作曲:不詳


娘さんよく聞けよ 山男にゃ惚れるなよ
山で吹かれりゃよ 若後家さんだよ
山で吹かれりゃよ 若後家さんだよ

娘さんよく聞けよ 山男の好物はよ
山の便りとよ 飯ごうのめしだよ
山で吹かれりゃよ 若後家さんだよ

山男よく聞けよ 娘さんにゃ惚れるなよ
娘心はよ 山の天気よ
娘心はよ 山の天気よ

山男同士の 心意気はよ
山できたえてよ 共に学ぶよ
山できたえてよ 共に学ぶよ

春夏秋冬 山行く人の心はよ
山にあこがれよ したしい友とよ
山にあこがれよ したしい友とよ

娘さんよく聞けよ 山男にゃ惚れたらよ
むすこ達だけはよ 山にやるなよ
むすこ達だけはよ 山にやるなよ

娘さんよく聞けよ 山男の心はよ
山できたえたよ 男意気だよ
山できたえたよ 男意気だよ





-Mountain Hiking-

2013-08-14

燕岳・合戦尾根トレイル-①前編- /北アルプス【中房温泉~燕岳】

日程:2DAY/自分。友人2名/2013年7月
天候:1日目/曇り時々晴れ。2日目/雨。
アクセス:車/松本ICより登山口無料駐車場前夜泊。
Course MAP

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今回は北アルプス三大急登である合戦尾根をピストンで歩きました。
ちなみにザックのベースウェイト(食料・水・燃料を除く)は4.3kgでした。

【行程】
1日目:中房温泉~合戦沢ノ頭~燕山荘~燕岳
2日目:燕山荘~合戦沢ノ頭~中房温泉
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現地予報では大雨。
自分で言うのも何なんですが超のつく雨男なので。友人達を誘ったものの正直不安で仕方なかった今回の燕岳登山です。
自分一人ならどうでもいいんですが、人を連れて行くとなると全然気分はちがうもんです。

今回の出で立ち ☟☟☟ クラシックテイストな気分でした。

さてさて、どうなる事やら。。。

出発の朝。 前日に中房駐車場で車中泊。 起きるとガスで曇ってはいるけど、何となく天気は回復したようです。なんとなく運が向いてきた。

駐車場から少し歩いたポイントから登山口になっている。
ここから燕岳山頂までは標高差1.300mほど。合戦尾根の始まり始まり~。



登山口にある中房温泉。源泉100%の贅沢なお湯。はやくも帰りが楽しみ。


みんなのザックはU.L.メーカー。

SHK君はULA。SG君はHMG。




先ずは第一ベンチで小休憩をとった。ここは水場もあり休憩には適している。

合戦尾根は、各ポイントにベンチがあり、それが絶妙な感覚で設定してあるコース。どれも立派なベンチが置いてありました。




水場は写真でも分かるとおり相当に透き通った湧き水が出ている。

水温もかなり冷たく、ここで水分の補給をした。しかし、水を入れると一気に荷が重たくなるのです。

いくら荷物を軽くしてもお水の重さでザックがそこそこ重たくなってしまいます。

でも、水分補給は山を登る上ではものすごく大事な要素なので、水場では2.5ℓ分を水筒に移しました。


SHK君のマグカップはsnowpeak社製の雪峰。曲線美はこのメーカーらしい美しさがあります。
こんなの山で見せられたら自分も欲しくなってきます!!

燕岳はやはり人気の山。実にハイカーが多く、それぞれ山小屋スタイル、縦走スタイルと様々。
しかし、人とすれ違う度にいちいち道具や服装をチェックしてしまう自分の癖は。うーん。
あ、この写真に写っているのが前記したベンチです。


この時二人は何を思うのか。

SHK君はULA『 Circuit 』をチョイス。フレーム入りで10kg以上積載可能な耐久性に優れたザック。

SG君はHMG『 WINDRIDER 』。生地にキューベンファイバーを使用し、独特の雰囲気あり。

燕岳は美し山です。

と、これは自分のザック。山と道の『 U.L.FramePack ONE  Dyneema × Gridstop Edition 』 
またまたお互いのギアの感触を試しているところです。

今回はかなりの軽量化ができ、足取りも軽い。軽量化の道具さえ集めればいくらでも軽くできる。でも本質はどこまで“シンプル”にできるかが大切な気がする。
無駄な荷物は持たないし、本当に必要なモノを厳選して。そうすると自分にも余裕ができて、いつもとは違ってより山を楽しめる感覚です。

何もウルトラライトな道具でなくてもシンプルに山は楽しめるけど、自分としてU.L.スタイルはひとつの山の楽しみ方として捉えています。


さすが北アルプスだけに随所でダイナミックな景観が迫ってくる。
いつも思うけど、やっぱり来て良かったと心から思える、そんな場所です。

噂通りで、終始登りがテンポよく続く合戦尾根。
道はかなり歩きやすく、ジグザク登りよりかは直登に近い感覚のトレイルです。

こんなのが出てくる頃には、かなりの部分を登ってきた証拠のような看板。

合戦沢ノ頭の手前にある『 合戦小屋 』。時間も程よくお昼頃なのでゆっくりと休憩していきました。
しかし、本当にいいペースで上がってきたし、自分は一番後ろを歩いていたのですが、小屋に上がると元気そうなSG君がお出迎えしてくれたので、余計に安心できた瞬間でした。
初めてのアルプスですが楽しんでくれている様子。

  
味噌煮込みうどん。噛むと麺に独特のもちもちっとした弾力があり、喉越しも良く、相当旨いです。
山で食ってきたうどんの中ではベスト3に間違いなく入れたいと思います。それぐらいのヒット感。

この日は学校登山も盛ん。
今の世の中“危険”の一言で野外活動を敬遠している学校も増えてきているそうですが、若いときに自然から得られるインスピレーションは大きいと思うので。絶やして欲しくない伝統ですよね。歩いている生徒さんも活き活きとしていたし、人間にとってごく自然な行為ですから。
少々の怪我に目くじらを立てるんじゃなくて、いかに体験できたかが人生を豊かにさせるヒントだと思います。


 
合戦小屋の上までくると視界が開けて稜線上に出る。 
ここまで来れば、あとわずか。

やっぱショーツスタイルは山で動きやすそう。

記念に撮影してもらいました。

 
ちょっとガスって来て近くまで寄らないと燕山荘が確認できなかった。
遠くから写真に納めたかったので、ちょと残念。

小屋の周辺は少し雪渓が残っていた。合戦小屋から1時間も歩けば到着する距離に燕山荘はあります。
登っている最中はガスがなかなか晴れてくれない、僅かにどんよりした暗い感じ。

小屋に着く頃にようやくガスが晴れるとゆう、ちょっとドラマチックな展開に。
メンバー全員も笑顔でした。

念願の山男とも対面。
燕山荘には、先代の小屋の主人と親交のあった畦地梅太郎先生の作品があり、さながら小さな美術館のようでもあります。



燕岳ハイキング後編に続きます


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