山道具紹介。今回はザック。
HYPERLITE MOUNTAIN GEAR(ハイパーライトマウンテンギア。以下、HMG。) のMETRO PACK(メトロパック)。
ザックの顔。全体図。
カラーはホワイト。
容量は26リットル。重量は160gの激軽ザック。
素材にはキューベンファイバー(※別記説明)を使用。
ザックの開口方法がロールトップクロージャー式なので、容量のほうは多少の調節がききますが、コンプレッション機能もなければバンジーコードもない。サイドポケットなんてものはない。
ないないないの無いこと尽くし。 しかも色が真っ白なのですぐ汚れます(笑)。
極度のシンプルな佇まいは潔いの一言。
当然ザックとしての使い勝手は良くないです。背負い心地も含めて。
おそらくHMGも、使い勝手は優先していなくて、とことん軽さにこだわったプロダクトだと言えます。
背面。
メッシュ生地などは配されず、汗をかくと蒸れやすい素材感。
自分としても始めてメトロパックを見た時の感想は
「そりゃ、ここまで肉抜きすれば当然軽くなるわ。」でした。
私以外の人が見ても同様の感想は抱くと思います。でも、逆の発想をしてみると…
ここまでシンプルで使い勝手を優先させていない商品を販売する(すいません上手な表現ができず失礼します。)メーカーとしての意義を考えたとき、本来のメトロパックの魅力にふと気づかされるものがあります。
それは“道具としての自由度・融通性”ではないでしょうか。
友人が使っていた時に非常に興味深かったのは、パックライナーとして使っていた点。
素材のもつ防水性は、かなり魅力的でもあるので今にして思えば当然こういう発想に至ったと理解できるのですが、今まで山を歩いてきて固定概念みたいなものを自分自身持っていたので、友人のこれにはかなり衝撃度が高い納得のギアの使い方でした。
まさかザックの中にザックを入れるなんて普通はあんまり考えにくいはず。
それをいとも簡単に目の前で見せられたハイキングテクニックとも言える発想は目から鱗状態。
このアイデアを速攻いただきたくてメトロパックを購入するに至ったのです。
特にU.L.系のザックの場合で考えた時、生地の強度がマスプロダクトと比較すると弱い面もあるので、メトロパックのように強度の高いギアをパックライナーにする利点はかなり大きいと感じます。
ショルダーハーネスの付け根部分。
重ねることにより縫製箇所を減らしている構造。
これは興味深いポイント。
素材のCTF3の表面。
少し張りのある堅さですが、それによるデメリットや使いにくさは特に感じない。
逆にここまでぺらぺらザックなら、ある程度の信頼感が出そうです。
ザック内部はこんな感じ。
縫製箇所にはシームテープ処理がされているので、防水性は確かです。
MADE IN USAのタグもいいですね。
何も入れないとご覧の通り。
ぺらぺら感が半端ない。
だから軽い!!
これぞU.L.!!
自分もまだまだ道具として使い切れていない部分もありますが、メトロパックからは色々なヒントみたいなモノを感じるので、とりあえずお付き合いしてみることにします。
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【メトロパック】
メーカー / HYPERLITE MOUNTAIN GEAR
重量 / 実測値160g
素材 / キューベンファイバー
容量 / 26リットル
※/キューベンファイバー
CTF3。通称キューベンファイバー。
ダイニーマ繊維をUV樹脂でフィルム状にラミネートした極薄の生地。
ダイニーマは軽量にかかわらず非常に強靱なポリエチレン生地です。重量ベースで比較した場合、鉄の15倍。アラミド繊維の40%以上の強さも持っています。