2014-03-02

八ヶ岳スノートレイル縦走-中編-/八ヶ岳山域【長野県】

日程:4DAY/単独/2014年1月下旬
天候:2日目まではおおむね安定、3日目やや不良、4日目晴れ。
アクセス:JR特急あずさ号/JR茅野駅下車。アルピコ交通バスにて美濃戸口より入山。
※バスは季節運行あり要確認を。
Course MAP

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【行程】
DAY1:美濃戸口(バス停)~行者小屋
DAY2:行者小屋~赤岳~橫岳~夏沢峠
DAY3:夏沢峠~根石岳~天狗岳~黒百合ヒュッテ
DAY4:黒百合ヒュッテ~渋ノ湯

……雪の八ヶ岳。
ここ数年けっこう通いつめてる山域です。比較的ゆったりした山々が多い北八ヶ岳エリアと岩峰が連なる南八ヶ岳エリアと、非対称な表情を見せる八ヶ岳。秋に小淵沢から南北にかけ縦走した経験はありましたが、雪ではどんな表情を見せてくれるのか気になって今回歩いてみました。
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前編より続きです。 ☞前編レポートはこちらよりチェックしてください

2日目に赤岳登頂をして、その先の北側へ延びている橫岳への縦走路へと進んでいく。


赤岳より見下ろしたコースレイアウト。天候も安定しており視界良好のよう。

風がけっこう吹いていました。いきなりの急な下り。鎖もいちおう顔を出してたけど逆に危ないので頼らずに進む。てか、頼るくらいなら縦走は無理じゃないかと自分に言い聞かせる感じ。

地蔵尾根に下る分岐にはお地蔵さんがいてくれ分かりやすい。
一年中ここにいて、まるで登山者を守ってくれてるよう。気のせいでしょうが他のお地蔵様よりも何倍も顔立ちからは強いものを感じる。

地蔵の頭(さっきのお地蔵様の地点)から二十三夜峰、鉾岳、石尊峰などいくつかの小ピークを越えていくのですが、これもそんな時の撮影した一枚。
鎖が出てますが出来るだけピッケルを駆使し自力で登りました。楽して登っても力にはならないので自分に厳しくいきます。

ちゅと記憶があいまいなんですが(汗)。たぶん日の岳のあたりで撮った一枚なはず。
快調に登ってけたので当日は写真もたくさん期待したんですけど帰ってくると今イチ。自分でも後で見返して楽しむつもりが少々残念なものになってしまった。

ルートのレベルとしては季節が冬なので雪質や積雪量、もちろん天候にも左右されるので安直な意見は言いたくないのが実際のとこですが、この日は比較的恵まれていたはず。
ピッケル・アイゼンを的確に使いこなせるレベルなら歩き通せるでしょうか。初心者だけならかなり危険なルートだけど経験者なら楽しいルートでしょうか。
冬の南八ヶ岳まで来ればある程度のレベルを求められるのは当然な場所なので、おおかたの予想は出来るとこだと思いますが、少し困難な冬山を求める人には北アルプスほど厳しくないはずなので厳冬期でも貴重なルートになっています。

三叉峰を越えると奥ノ院までは広い稜線に変化。岩場のパートを終え少しほっとする時間。

奥ノ院に到着。一般的には橫岳を代表するピークとして指します。南北に連なる岩峰の総称を橫岳と呼んでます。風はそこそこ吹いてたけど雪がけっこう残ってました。

振り返ると赤岳と阿弥陀岳が並んで見事な姿。

赤岳。岩肌が陽を受けると真っ赤に染まるのが山名の由来。

歩いてきた岩のルート。

空も澄んでおり景色も綺麗。

少し山頂で寛いだ後ふたたび出発。あんまり長居すると体温を奪われるので冬はあんまりのんびり出来ない。コンデジのバッテリーは衣服の中に入れてはいるけど弱いまま。
一眼のほうは持ちが良いようで流石だと感心。

奥ノ院から少し進むと、すこし細くなるリッジ状の道へと変化。この写真のリッジ通過の前でも奥ノ院からの下降も短い鎖でしたが角度的な要素などで滑落には注意したほうがよさそうな場所でした。

無雪期は植生保護の鎖がかけられているポイント。ここまで来れば稜線もずいぶん広くなります。
ただ視界不良の場合ではホワイトアウトに気をもまれそうな場所です。

雪に閉ざされた硫黄岳山荘。

硫黄岳への登り。ここもホワイトアウトに気配りな雰囲気。その為にケルンを配置してくれています。
この日は風がものすごく強烈で、台風姿勢を何度となくとりながら遅々として進めない。風がやまないと進めなかったので予定時間を大幅に使ってしまった。弱く見積もっても風速20mは楽に吹いてたと思います。
硫黄岳の山頂。

硫黄岳から夏沢峠へ下ります。ここもケルンが導いてくれる。

雪庇が少し発達していました。これは喜べない冬ならではの光景。

心配していたラッセルもさほど無く、樹林帯に入っても軽快に歩けました。こうなってくると峠まで時間計算がたちやすく心境的には楽ですね。

予定通り、2日目の幕営地夏沢峠に到着。
2軒山小屋がありますが、両方とも厳冬期は休業中。雪の溜まりそうなスポットになってましたし、八ヶ岳が冬期営業小屋がかなり多い山域なので、この光景が本来の一般的なとこでしょうか。
アクセスも良いし本当に八ヶ岳は貴重な山域。

ここでツエルトを張ったのですが、普通に設営せずに夏沢ヒュッテに積もった雪を少しだけ掘り、そこに出来たスペースにロープでツエルトを吊してよりビバークに近い形で張った。
こうすることで雪の多そうな場面ではいつもより弱さを加えたツエルト泊の状態で実際にはどうなるかも知りたかったし、経験値も高めたかったのです。


ツエルト内部はこんな様子でした。
雪を掘るのは体を橫にできる最小スペースに留めて、小屋の柱などを利用して張り綱をセット。
青い丸印のところが弱点な部分として残しつつ、どこまで耐えれるのかをテスト。結果的には上半身の部分は途中で辛くなったので再度補強して過ごしました。

結果的には足元にかなりの積雪が見られ(小屋の吹きだまりポイントだった)、けっこうスペースを削られた。頭の上の、図で説明すると一番左側からは終始雪が吹き込んできて夜中が寒くなり、ちょと辛かったですが耐えれるレベルだったのでそのまま放置に。
ツエルト内部にも雪が附着して少し凍っていました。

3時頃にあんまり寒いので温かい飲み物で回復させ、低下した体温を上昇させつつ眠りにつきました。
快適性で言えばテントに負けちゃうのがツエルトですが、軽さが最大の魅力の部分。
今回は理解した上での行動なので、あしからず。


さてさて、この続きは後編に記します。
☞八ヶ岳スノートレイル後編レポートはこちらよりチェックしてください
☞八ヶ岳スノートレイル前編レポートはこちらよりチェックしてください

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【 COUSE TIME 】
DAY-2/行者小屋~赤岳~夏沢峠
行者小屋(100分)赤岳(25分)赤岳展望荘(60分)三叉峰(35分)横岳奥ノ院(80分)硫黄岳(40分)夏沢峠にて幕営。
○5時間40分※歩行時間のみ表記

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