2013-06-14

ザック(バックパック)の容量

山登りは当日歩くのも楽しいのですが、準備段階でワクワク想像することも楽しいと感じています。
けっこう準備段階で時間を費やすのが楽しいのも、小学生の遠足の時の感覚に似ているもんだと勝手に思っています。

パッキング = バックパックに荷物を詰める事。

でも、大人になると、どうしても単純に物事を考えれなくなってしまうのも哀しい事実です(´・ω・`)
「 どれぐらいの大きさのザックに入れるんだろ? 」
子供の頃の勢いというのを持ち合わせた方も大勢いらっしゃるかと思いますが(笑)、やっぱりパッキングのヒントも欲しいもんです。今回はそんなザックの大きさの疑問について解説。

その前に少し補足ですが、メーカーが公表している容量は、各メーカーが独自に算出したもので統一基準というのが成されていないので、数字だけにしばられない視点も必要です。
自分の荷物の大きさの把握と、パッキングした時の空間認識力をイメージしましょう。
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■日帰り / 20~30リットル
荷物の少ない近郊の里山でしたら20リットルの小型サイズでもオススメです。
防寒着のかさばり具合や調理道具を携行するなら、少し大きめのザックが必要です。

■小屋泊まり / 25~40リットル
こちらも日帰り同様、食事を小屋で済ませるならそこまで大きくなくても大丈夫です。
宿泊を無人(避難)小屋利用でなければ、寝具は小屋にあるので寝袋はいりません。生理的な問題でシーツを一枚持つくらいです。
日程が長期になるほど、ある程度の大きさが必要です。

■テント泊 / 40~70リットル
衣食住すべてを背負うので、大型バッグが必要。最近は軽量テントもあるので50リットル以下でもパッキング可能ですが、逆に言えば容量を抑えるには軽量性のある道具も必要になります。
小屋泊同様に長期になるほどザックの大きさが必要です。サイズは食糧事情(ドライフード主体か生食主体なのか)にも影響してきます。

( ■積雪期 / +10リットル    )
( ■カメラ機材 / +5~15リットル  )
⇒ハイキング基本装備

積雪期はもちろん雪山シーズンですが、防寒着も確実に中綿ウエアが必要ですし、グローブなどの予備も携行したいところです。本格的な場所ではワカンやピッケルなどのギアも必要になります。
カメラは一眼レフを想定、三脚も持っていくなら最大で機材合計15リットル程度になるでしょうか。

当然バッグを大きくすれば荷物は楽にパッキングできますが、余計な物を持って行きかねないので、荷物を選別する自己ルールを作ればベストですし、これが非常に大切なポイントです。
ある程度ザックの大きさを絞ってみるのも良いかもしれません。
大きすぎるザックは俊敏に動けないので、行動でのデメリットも大きくなるのです。

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自分の場合は日帰り山行でパッキングする際の目安は以下のような基準です。
それぞれで容量制限をして、それ以上は荷物が増えないようにルールを設けています。

□食料 / 5リットル …水分も含む
□緊急ツール / 2リットル
□調理道具類 / 5リットル
□防寒着 / 10リットル…雨具も含む
□その他 / 2リットル

            
こうすると合計で24Lなので、サイズ選びとしても上記の日帰りサイズでOKなんです。
季節により防寒着の量が変化しますので、それぞれで対応できるように20L~30Lのザックを持っています。

次に、テント泊などする場合もそれぞれで容量制限をして、それ以上は荷物が増えないようにルールを設けています。
ただ、日帰りよりもリスクは増えるので、緊急ツールや小物など必要な道具の内容は変化します。
目的の山によってそのあたりは少し調節はしていっています。

□テント / 5リットル
□寝袋 / 5~10リットル
□宿泊道具その他 / 5リットル …マットや張り綱など
  
□緊急ツール / +α
□その他 / +α

すると、テント装備でも数字的には50Lで収まりますが(そこまで単純にいかないのも事実ですが…)、自分の場合は60L以上を使っています。
理由としては、雨に降られたテントは水分を含み一時的に膨らみますし、雨のテント撤収は時間との闘いなので、ある程度適当に?ザックに収納しなければなりません。
その為にも必要な“容量の遊び”と自分では捉えています。
重要な役割を担うスタッフバッグ
荷物の整理にはスタッフバッグが便利です。濡らしたくないモノは防水性が必要。


それと、自分ではどんな場合にも当てはめていますが、どの荷物も極力小さくするんではなく、例えば寝袋なら無理にバッグに押しこまずに大きめの収納袋を使用しています。こうするとロフトもつぶれず、ふんわりと快適に着用でき気分もいいです。
他には実際ザックに納める容量分よりも少し大きめのバッグを選ぶことで(感覚的には+5Lくらい)、荷物を取り出しやすくする遊びをもうけています。
また食事も生野菜などを使う自炊派装備と、湯沸かしだけで済むドライフード派では容量も変化します。
やはりパッキングも各自においてかなり差が出ると思います。
何回もテント泊山行を経験し、試行錯誤を繰り返してパッキング技術は成熟されていくものだと考えています。

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2013 八ヶ岳にて
写真のザックは2013年に2泊3日での計画で冬山山行に行った時のもので、70Lのザックでしたが写真を撮影した時は帰り道中もあり、行動中はザックの中に入れておいたアイゼンケースは撮影時に外付けにしており、実質の容量自体は60L程度使いました。
ひとつの自分のパッキング例です。
その時その時の山行により微妙にパッキングは変化しますし、山行中も使いやすいように便利にパッキングを組み立てます。

……
話はもどりますが、例えば宿泊もテントではなくツエルトなどのシェルター系にすれば、無雪期のパッキング容量は宿泊でも40L程度におさえれると思います。
やはりパッキング装備・方法に着目しても、人それぞれに個性が見えてくるのも面白い点ではないでしょうか。


この他にも自分なりにNoteのページでハイキングテキストを書き込んでいます。
よろしければご覧になってください。